《教材を介して『ことばのやりとり』をめざした活動事例》
   ◆本校小学部3年生  
   ◆活動のねらい      :人とかかわりながら状況に応じて使える言葉を増やす
   ◆本教材を導入した意図:相手の言葉かけを聞き入れ、活動に反映させるためことばを必要とする状況を設定するため
       
   【使用した教材】 色マッチングによるピンさし   
 
       
   手指の操作性など動作をねらうのがこの教材の本来の使い方かもしれませんが、今回は「自分でできること・自分で進められること」、「相手の言うことを受け入れて活動に取り組むこと」を考えて導入しました。
 出来あがったら「できました」と報告するようにしています。活動前にピンを色分けしています。そのときも、「○○色はここにおいてね」など、ことばのやりとりを意識しています。
       
   【授業での様子から】    
 
 活動の意味をよくとらえて、自分で活動を進めることができました。はじめのうちはピンさしに必要十分のピンを用意していたのでどんどん進めることができましたが… 
 
 何回か後の活動からは、意図的にピンの本数を減らし、ピンが足りない状況をつくってみました。

 ☆教員の思い☆
 
 こうしたときに「○○がほしい」「○○がないよ~」「○○をください」などのことばが言えてほしい

 
 
 ピンが足りないことに気づくと、当初は黙ったままだったのですが、「ください」の言葉のカードを読むことに並行して取り組んできたことで、カードがなくても自分から「ください」と言うことが増えてきました。 
 
 こうした活動を積み重ねていくことで、このほかにも「(ピンが)ない!」、「おわりました」など、そのときの状況に合ったことばや、自分の思い、要求を伝えることばも自然と言えるようになってきました。
       

 《「こたえよう・つたえよう」コミュニケーションの力を伸ばす指導事例》
◆本校小学部1年生
◆活動のねらい:目の前の課題に集中して取り組む。
やりたい気持ちを伝える。
 
◇授業の進め方
・初めに実態把握(NC-プログラム)を行い、文字を読むことが得意であるとわかった。
・教員と1対1で集中できる活動と、友だちと身体を動かして楽しみながら取り組める活動とを1時間の授業の中で設定していく。
◇活動内容の詳しい説明と学習の様子
 学習活動  活動設定の意図  学習の様子
 よていをきめる  「やりたい」気持ちを大切にし、見通しの持てる学習の中から自分で順番に選べるようにする。
・のりの使い方に慣れる。
 
 いろぬり ・好きな絵本からとった4つの絵を用意し、その中から本人がぬりたい絵を選ぶ。
・色鉛筆の持ち方、動かし方を経験する。ぬる場所を指をさし示しながら「あたま」「おなか」「おしり」など意識しやすいように声をかけた。
 
おおきい
ちいさい 
 ・大小2枚のカードをそれぞれ「おおきい」「ちいさい」に分類する。




・「おおきい○○どれ?」「ちいさい○○どれ?」聞かれたことを理解し、1つを選べるようにする。
・指さしの表出。
 
 ボウリング
(同じ部屋で学習している友だちや先生と一緒に4人で)
 ・友だちとの楽しい活動を通して、「なげる」「まつ」等の動作語の理解。
・役割カードを使って、順番を理解し、友だちの活動にも興味が持てるようにする。
・うまくボールを投げることができず、ピンが倒れないことがあると、線から出たり、近づいて足でけったりすることがあったので、ルールを視覚的に表し、確認した。




 
 文字を提示して見てわかるようにしたことで、学習に見通しを持って集中して取り組めました。手先を使った活動は、経験を重ねることでスムースにできるようになり、自分から取り組めるようになりました。のりの量を調節してぬれるようになり手を汚さなくなりました。色鉛筆の使い方もうまくなり、適切な持ち方ができるようになり、続けてぬれるようになりました。
 友だちとの活動では、自分のことだけでなく、友だちのしていることにも注目できるようになり、座って待てるようになりました。ピンを倒した友だちに、自然と拍手を送れるようになりました!